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・野生動物医学研究における動物福祉に関する指針

EAZWVニュースレターより

フランスでチーターにネコ海綿状脳症が発生
 フランスの動物園で生まれ育った雌のチーターが2000年10月に運動失調およびだ液過多を示し、翌2月にネコ海綿状脳症と診断を下され安楽死された。組織検査で、口腔内の所見はネコの好酸球性肉芽腫に類似していた。反芻類以外で、フランス生まれの動物ではこの病気ははじめてである。この動物園ではチーターに、新鮮なウサギまたは鶏の肉を40%、牛肉を60%の割り合いで与えていた。屑肉は与えず、唯一の汚染源としては脊髄と脊椎に付いていた肉が考えられる。ネコ海綿状脳症は飼い猫でイギリスで87件、アイルランドで1件、ノルウェーで1件、リヒテンシュタインで1件が記録されている。チーターではイギリスで(イギリス生まれも含む)9件が記録されている。

ニュージャージーで野生ガンが激減
 約9万5千羽のシロハラネズミガン(Branta bernicla hrota)がニュージャージーで冬の生息数調査で計数された。2回の死亡数調査で約1400羽もの死体が回収された。何羽かは口と鼻孔から粘液が流れ出ていた。何羽かは真皮、呼吸筋および心臓、そ嚢、胃および大腸の漿膜表面に出血が認められた。小白点が肝臓と膵臓に認められた。肝臓の肥大が何羽かで認められた。肺水腫と湿性暗赤色肺の両方または一方が一貫して強く認められた。胃内にはたいてい砂を除き何もなかった。主な組織所見は免疫系器官のリンパ球の壊死、心筋の出血および肝細胞の壊死であった。いくつかの組織切片から2、3の肉芽腫と線虫類が肝臓と肺から時々観察された。リンパ球と好酸球の浸潤が特徴づける軽度の門脈周囲炎が線虫に感染した肝臓で認められた。何羽かからは腎コクシジウム症に関連したリンパ球と好酸球の浸潤がみられる腎尿細管壊死が観察された。脳、肝臓、肺および腎臓はしばしば充血していた。時々、これらの器官に限局性の出血が認められた。脳にはトリ空胞性ミエリノパチーの組織病変は認められなかった。西ナイルウイルス病、アヒルペスト、ニューカッスル、家禽ペストが培養、検査され陰性であった。脳のアセチルコリンエステラーゼ活性は正常であった。ボツリヌス中毒と殺鼠剤中毒の検査は陰性だった。多様な種の鳥類が潮汐湿地に生息している。しかしながら、シロハラネズミガンだけが影響を受けている種であることが分かった。死因はまだ不明のままである。しかし、いくつかの調査および診断検査が進行中である。

A ProMED-mail post http://www.promedmail.org
Date: 13.02.01. From: Kim Miller kim_miller@usgs.gov

タンザニアでの口蹄疫
 口蹄疫の発生がはじめてセレンゲティ国立公園においてハーテビースト(ヌーのなかま)で確認された。ハーテビーストの群れは発生の影響を受け、5分の1の動物が跛行を示した。セレンゲティは150万頭にもおよぶハーテビーストのマサイマラ公園への大移動が有名である。セレンゲティ周辺の畜牛においても口蹄疫の発生がみられた。口蹄疫と他の病気の拡散を防止する新しい対策を要請された野生生物の専門家は「国の経済に対する野生生物の役割は増してきており、家畜の健康と改良のプログラムは野生生物とも統合するべきである。」と述べている。

A ProMED-mail post http://www.promedmail.org Date: 19 Dec 2000 ミ Source: Ap Online (edited)

AAWVニュースレターより

ワシのトリ空胞性ミエリノロパチー
 トリ空胞性ミエリノロパチー(Avian vascular myelinopathy、以下AVM)が、2000年11月中旬から2001年1月下旬にジョージア州東部で死亡した8羽のハクトウワシで確認され、6羽がAVMではないかと推測されている。南東部協同野生生物疾病調査(SCWDS)においても、多数のアメリカオオバン、2羽のカナダガン、2羽のアメリカワシミミズクおよび1羽のフタオビチドリで確認された。AVMは最初、アーカンサス州の29羽のハクトウワシで1994年から1995年の冬に認められた。現在まで、AVMによってアーカンサス、ジョージア、ノースキャロライナおよびサウスキャロライナで少なくとも82羽のハクトウワシが死んでいる。AVMになると飛翔および歩行が困難または不能となる。病理学的には中枢神経の白質が広範囲にわたり空胞化する。AVMの原因は未だ解明されていない。ウイルス、細菌、プリオンなどの感染病因の証拠が認められず、病変が中毒のものと一致しているので、天然もしくは人工の神経毒が原因として推測されている。AVMは1996年から多数のアメリカオオバンでも発見されており、冒されているアメリカオオバンを摂食することによりワシは病因となるものに曝されたと仮説立てられている。ヒトを含み哺乳類がAVMに冒されているという徴候はない。

Date: Jan 2001 Source: SCWDS Briefs

人間活動からハンタウイルス?
 近々出される雑誌、メEmerging Infectious Diseasesモ の記事に下記のような仮説が載っている。最近発見されたヒトのハンタウイルス感染肺症候群(Hantavirus pulmonary syndrome)を引き起こすHantavirusであるSin Nombre Virus(以下SNV、Bunyaviridae)が生息地域で広まってきている。1999年夏に長期にわたる調査がユタ州グレートベースンで行われた。シカシロアシネズミPeromyscus maniculatusなど6種の野生哺乳類が捕獲、採血され、酵素免疫測定法(ELISA)によりハンタウイルス抗体の検査が行われた。これにより、29.7%という高い抗体保有率がセントラル・ユタで認められた。この値は他の地域の3倍以上であり、1993年にハンタウイルス感染肺症候群が発生した時のレベルに匹敵する。調査を行ったMackelprang氏らは、高いSNV抗体の保有率は人間活動によりげっ歯類に適した生息場所が減少したことに原因があるかもしれないと述べている。つまり、人間活動によって動物の高密度化と種間および種内の相互作用の増加が引き起こされているというのだ。実際に、実験的にシカネズミの生息場所を寸断すると生息密度と移動距離が増加する。人間活動がSNV波及に与える影響のさらなる調査が必要である。

Date: Feb 16 2001 Source: Emerging Infectious Diseases

AAZVニュースレターより

フロリダのワニの原因不明死
 生物学者らはグリフィン湖(オーランドの南西30マイルにあるフロリダでもっとも汚れた湖の一つ)のワニ、カメ、魚類の死因を決定する手がかりを探している。1997年から312頭のワニが不可解なことに死んでいる。ほとんどすべてのワニが3mかそれ以上の大きさの成熟個体であった。ワニは不活発になり、数日間、動かず何も食べずに浮くようになる。原因として、農薬中毒やボツリヌス中毒でさえ調査された。最初に湖の水が疑われた。湖の藻類の約94%が外来毒性の藻類Cylindrospermopsis(ネンジュモ目)であり、この藻はオーストラリアで疾病と関連づけられている。グリフィン湖のそれほど有毒でない藻類(アオコ)も致命的に成り得る。しかし、3年がたってもまだ、藻類と死の間の明白なつながりが確認できていない。その原因の一つに、ワニが毒の典型的な症状を見せないということがある。一方、湖からサンプリングされた爬虫類の組織的観察で、不可解な死の原因のカギを握っているかもしれない脳の一領域の所見が見られた。その領域は視覚を筋肉の動きに転換することを調整する。現在、生物学者らは、同じ類似点を共有する他の野生生物の不可解な死を調べ始めている。
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