日本野生動物医学会は今年創設30周年を迎え、昨年には第30回となる記念大会が沖縄で盛会のうちに開催されました。ヒトの一世代は30年と言われますから、当学会も次の世代を迎えることになります。その次世代の最初の大会を、ここ岩手の地で開催させていただくことになり嬉しく感じています。
岩手県での当学会大会開催は今回で2度目となり、前回は2007年の第13回大会でした。およそ20年振りの開催となる第31回大会では、これからを担う世代の活躍に期待しながら、当学会の次の30年を見据えて、野生動物を取り巻く様々な状況や課題を共有し、よりよい姿を模索する機会を設けたいと考えています。
日常的にカモシカやシカなどの侵入注意喚起メールが飛び交い、教員宿舎周辺にツキノワグマが出没する大学に勤務していますと、動物との適切な距離感や付き合い方を嫌でも考えざるを得ません。さらには留まることなく気候変動が野生動物の生態にも予想外の影響を与えている現状では、様々な視野からの提言が求められています。岩手大会での活発な議論がその一助になることを期待しつつ、多くの皆さんのご参画をお待ちしています。
第31回日本野生動物医学会大会
大会長
佐藤雪太
岩手大学 獣医学部 教授